京都市会議員の海外旅行中止にあたっての声明


京都市会議員の海外旅行中止にあたっての声明

 市民ウォッチャー・京都は、行政の公費の無駄遣いをやめさせる活動の一環として、京都市会議員が4年間の任期中に1度行けるということで毎年繰り返して行っている海外旅行(「海外行政視察出張」ないし「海外行政視察調査」)の実態が物見遊山の観光旅行に過ぎないので、その中止を求めるとともに、参加した市会議員に対し海外旅行に費やした公費(一人当たり約120万円)を京都市に返還するよう求めて、2000年度分以降4次にわたって住民監査請求・住民訴訟を提起してきました。

 その中で、2001年度に行われたアメリカ旅行について、大阪高等裁判所は平成17年5月12日に私たちの主張の一部を認め、参加議員に対し京都市へ費用の一部の返還を認める判決(確定)を言い渡しました。同判決は、「議員として、幅広い見識や国際的な視野を持つことは、もとより期待されているところであるが、基本的には自己研鑽によって獲得すべきものとも考えられ、情報化が進み、海外旅行が容易な時代になっていることなども考慮すれば、今後このような一般教養取得型とも言うべき海外視察を温存すべきかは大いに検討の必要があろう」と指摘しています。

 私たちが住民訴訟を提起して以降、京都市は、この海外旅行の際に支出していた時代錯誤の「仕度料」を廃止したほか、上記大阪高裁判決の後には、海外旅行費用の上限を議員一人あたり120万円から100万円に減額し、旅行日数の上限を短縮するなど若干の見直しを行ってきました。

 さらに、2003年度に行われたヨーロッパ旅行について、大阪高裁は、本年5月15日に判決を言い渡し、結論的には費用の返還までは認めなかったものの、内容的には私たちが指摘した問題点をほぼ認めるものでした。同判決は、「それぞれの調査項目の調査の対象として、選定、訪問した年が最善の選択であるかについては疑問が少なくないし、調査した内容も本件報告書等の内容から判断する限り、視察先から入手した資料の域を出ないものや、表面的・概括的なものも散見され、京都市の課題との関係でどのように有益な視察結果が得られたのか必ずしも明確ではなく、1175万円余も費やして行く意味があるのかと、これを問題視する控訴人(私たちのこと)の意見には傾聴すべきものがあると言わなければならない。」「そのような実態からすれば、真に多人数による海外視察の必要性があるのか、また、このようなレベルの海外視察を住民が許容していると見るべきか、いささか疑問というべきである」と厳しく指摘しています。この判決を受けて、私たち市民ウォッチャー・京都は、本年5月31日に京都市会議員全員に対し、今後の海外旅行の中止など3項目の要請書を渡し、7月20日にこれまで海外旅行に参加し続けていた会派である自由民主党および民主・都みらいの各議員団に対し、本年度以降の海外旅行実施の有無について照会を行いました。

 8月8日に民主・都みらいから、8月15日に自由民主党から回答が寄せられ、両会派とも今年度(2007年度)の「海外行政視察」には参加しないことが明らかになりました。

 これにより典型的な公費の無駄遣いといわれてきた議員による海外旅行が本年度は行われないことになり、公費の無駄遣いを食い止めることができました。これは、私たちがこれまで毎年繰り返し住民監査請求・住民訴訟を提起して海外旅行の実態を暴露してきた成果であると言うことができます。

 その結果、私たちの住民訴訟はその目的を達成することができましたので、現在、大阪高裁に係属中の第3次住民訴訟の控訴を取り下げ、京都地裁に係属中の第4次住民訴訟の訴えを取り下げることにしました。

 ただし、2008年度以降について、自民党も民主・都みらいも参加するかどうかは未定であると回答していることから、公費による議員海外旅行が再び行われる可能性があります。もし従来と同様の海外旅行が実施されるようなことがあれば、私たちは、再び住民監査請求・住民訴訟を提起し、その違法・不当性を追及する所存であります。

2007年8月29日

市民ウオッチャー・京都
代表 田村和之

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