連載第1回
「市民ウォッチャー・京都」を紹介します。
『ねっとわーく京都』2003年8月号掲載
村井豊明(弁護士)
久々に発行するニュースです。改めて「市民ウォッチャー・京都」のプロフィールと現在取り組んでいる主な事件を紹介します。
「市民ウォッチャー・京都」のプロフィール
「市民ウォッチャー・京都」の正式名称は、「情報公開と行政監視に取り組む京都・市民の会」で、1997年4月26日に結成された。現在、代表は白石克孝(龍谷大学法学部教授)、団体会員が3団体、個人会員が52名、幹事18名、会計監査委員2名で構成されている。
総会は、毎年1回(4月か5月)に開催し、幹事会は毎月1回開催している。
主な活動は、(1)地方公共団体等の情報公開をすすめる活動、(2)地方公共団体等の行政監視活動、(3)地方公共団体等の不正不当な行政を是正する活動で、いわゆる市民オンブズマンの活動をしている。全国市民オンブズマン連絡会議にも加入している。
具体的には、これまで、知事・市長の交際費、京都府東京事務所食糧費(接待費)、京都市交通局の飲食費、京都市教育委員会の飲食費、同和関係の補助金、用地測量費、城陽サッカーグラウンド買収関係資料、京都御池地下街⑭への補助金、府会議員・市会議員の海外旅行費、府議会・市議会の政務調査費などの情報公開請求を行ってきた。一部非公開とされた文書については、異議申立てを行ったり、情報公開請求訴訟を提起するなどして、情報公開の拡大に努めてきた。
そして、違法・不当な公金支出があれば、後に紹介するような住民監査請求・住民訴訟を提起してきた。また、調査結果をマスコミに公表したり、行政に是正を申し入れたりもしてきた。その結果、違法に支出された公金を自治体に返還させたり、接待を自粛させるなどの成果も出ている。
「市民ウォッチャー・京都」の取り組んでいる主な事件
【用地測量業務委託事件】
京都府・京都市が用地取得に伴う測量登記業務を業者団体に丸投げ一括委託をしていた件での住民訴訟。京都地裁は、本年3月27日、このような委託方法は違法であり、「官製の談合」だとして、荒巻前知事に1億1548万円、桝本市長に104万円の賠償を命じた。現在、大阪高裁に係属中。
【同和経営指導員事件】
京都府が京都商工会議所と京都府商工会連合会に対し同和経営指導員の給与相当分の補助金を交付していた件で、同和経営指導員が部落解放同盟京都府連に出勤し本来の業務を行っていなかったとして提起した住民訴訟。本年4月10日、荒巻前知事らが2250万円を京都府に支払う内容の和解が成立。
【ソーダ談合事件】
京都市は上水道と下水道の殺菌処理のために使用する低塩素次亜塩素酸ソーダを購入しているが、その納入業者が談合していたという事件。談合業者に対し京都市へ損害賠償をするよう求めて住民訴訟を提起。現在、京都地裁に係属中。
【同和温泉旅行事件】
部落解放同盟の支部が温泉地などで「学習会」をしたとして京都市から多額の補助金の交付を受けていた。温泉地などでの「学習会」は違法な公金支出であるとして住民訴訟を提起。裁判所からの調査嘱託よって、実際には「学習会」を全く行っていないケース(カラ事業)や人数や単価を水増ししたケースが多数判明した。すでに京都市に4600万円を返還させた。関係した部落解放同盟支部の役員は全員辞任。現在も京都地裁に係属中。
【御池地下街物件買取事件】
京都市は、自らも出資している第3セクター「京都御池地下街⑭」から地下街と地上をつなぐエスカレーター・エレベーターとその附属機械設備を購入したが、これは会社の赤字補填を目的としており、京都市にとって必要性のない違法な公金支出であるとして住民訴訟を提起。現在、京都地裁に係属中。
【議員海外旅行事件】
京都府議会・京都市議会の議員は、毎年、十数名がヨーロッパやアメリカなどへ海外「視察」旅行をしているが、その実態は観光旅行であり違法な公金支出であるとして住民訴訟を提起。現在、京都地裁に係属中。
【同和奨学金事件】
京都市は同和奨学金の返済金を全額肩代わりしているが、十分返済能力ある貸与者もいるのに、何の審査も行なわず全額返済の肩代わりを行うのは違法であるとして、住民訴訟を提起。現在、京都地裁に係属中。