2010年5月12日
市民ウォッチャー・京都
1 概要
市民ウォッチャーは、京都府及び京都市の行政委員の報酬に関するアンケート調査を行った。行政委員の報酬に関しては、報酬額、支払い方法などにについて住民訴訟を含め、多くの自治体で議論となっている(京都市、京都府でも住民訴訟となっている)。現在のところ、月額支給方式をとる自治体が多いが、昨年1月、大津地裁は、滋賀県を相手取った住民訴訟において「勤務日数にかかわらず月額制で支給しているのは地方自治法に違反する」とし、県に支出の差し止めを命じる判決を言い渡した。これを契機に、以後、各地で見直しが進んでいる(同訴訟は今年4月、大阪高裁でも「違法」と認定され、県は上告している)。
今回のアンケート調査は、行政委員の報酬の支払われ方の現状の問題点、改善点について、行政委員自身の意見、意識を明らかにし、今日の見直し論議に資することを目的に実施したものである。
調査は、2010年3月1日、京都府の選挙管理委員、教育委員、監査委員(議員選任委員のぞく)、人事委員、労働委員、収用委員、公安委員及び、京都市の選挙管理委員、区選挙管理委員、教育委員、監査委員(同前)、人事委員の計98人を対象に、各委員宛てにアンケート用紙(資料2)を送付、同封した返信用封書にて回答を求める方法で行った(回答締め切りは3月末に指定)。回答数は13人、回答率は13.3%だった(個別の回答内容詳細は資料3)。これとは別に、京都府監査委員、京都府人事委員、及び京都市教育委員は、それぞれ機関の事務局を通して、アンケートには回答しない旨通知してきた(資料1 資料3)。
依頼数(母数)、回答数ともに少ないので、結果を単純に数値化しても意味がないと思われるが、特徴的な点は以下の通りである。
(1)報酬について各自治体で見直し議論が進んでいることについて、当然のことながら、回答を寄せた大半の委員が「よく知っている」「聞いたことがある」と回答した。
(2)現在の報酬額について、約半数が「ちょうどよい」とし、2人が「どちらかといえば低い」と回答した。一方、「どちらかといえば高い」と回答した委員も3人いた。「どちらかといえば高い」と回答した委員の一人は、「そう思い『ふるさと納税』を始めている」とも付記している。
(3)活動日数は、少ない委員で月1日のみ(定例会議出席)、多い委員で月10日間だった。
(4)今後の報酬の支払い方法、金額については、約半数の委員が現状維持すべきだと回答した。一方、活動の実情に合わせた支払い方法にすると回答した委員は2人おり、金額については4人が何らかの修正をする旨回答している。
(5)自由記入欄では、単に会議の参加日数で報酬金額が多いか少ないかを論じるのではなく、活動の実態を見るべきだと主張する意見や、各委員の活動内容のPRの必要性をうったえる意見もあった。
以上、回答を寄せた委員の大勢としては、現状を肯定していると言えるが、少数とはいえ、現在の支払い方法、金額について疑問を持つ委員もいる。また、職種によって、勤務体系など、実情には開きがあこともうかがえた。
委員によっては、単純に日数や時間でははかれない実情があることは想像できるが、一方、ひと月の勤務日数が少ない場合1日だけ、多い場合でも10日ということを注視せざるを得ない。会議出席以外に多様な活動があるというのは、何も行政委員に限ったことではない。いくら会議以外にもさまざまな活動があるのだなどと言われても、この日数に対して、毎月10万円から35万円を固定給として支払われている事実を、多くの市民が是認するのは難しいのではないか。毎月の支払い金額だけを定めた現行の制度を改め、透明性を高め、各委員の実情に即したものにする必要があると思われる。
2 アンケート結果
【設問1】報酬について
(ア)高い 0
(イ)どちらかといえば高い 3(いずれも区選管 参考:そう思い「ふるさと納税」を始めている)
(ウ)ちょうどよい 5
(エ)どちらかといえば低い 2(府選管、区選管 参考:府市選管の報酬と比較して)
(オ)低い 0
(カ)その他 2(参考:高いとは思わない)
無回答 1
【設問2】直近3か月の活動内容
(府選管)
12月:7日(定例会、府議会本会議)
1月:4日(定例会、都道府県選管委員会)
2月:10日(定例会、府議会本会議、選挙等説明会、近畿支会)
(府労働委員)
12月:6日(当事者呼び出し援助指導、事前調査学習会他)
1月:7日(あっせん、事前状況報告、3委員審問打ち合わせ他)
2月:5日(あっせん辞退に係る相談、打ち切りの相談他)
(府労働委員)
12月:7日
1月:5日
2月:2日
(府労働委員)
12月:7日(総会、幹事会、事案の説明、調整等を含む)
1月:8日(総会、幹事会、あっせん、全労委活性化委員会他)
2月:7日(総会、幹事会、あっせん、全労委活性化委員会他)
(府労働委員)
12月:6日(あっせん、定例総会等)
1月:6日(あっせん、定例総会等)
2月:5日(あっせん、定例総会等)
(京都市区選管)
12月:1日(定例)
1月:1日(定例)
2月:2日(定例、選挙文化セミナー)
(京都市区選管)
12月:1日
1月:2日
2月:2日
(京都市区選管)
この設問に答えたくない。(「××日しか会議に出ていないのに、××も報酬をもらっている」と、短絡的にデータ化すべきでない。)
(京都市区選管)
12月:2日(会議)
1月:1日(会議)
2月:1日(会議)
3月:5日
(京都市区選管)
12月:3日
1月:3日
2月:2日
【設問3】行政委員の報酬についてさまざまな議論があることについて
(ア)よく知っている 9
(イ)よく知らないが聞いたことがある 2(いずれも区選管)
(ウ)知らない 1(区選管)
(エ)その他 0
無回答 1
【設問4】今後について
(1)報酬の支払い方について
(ア)日額制にすべき 0
(イ)今のまま(月額制)でよい 8
(ウ)その他 3(参考:法律でお決め頂きたい。手当、日当で仕事をしている訳ではなく、如何ようでも可/選挙執行に応じて/個別の具体的な実態に見合った報酬体系を。行政委員全体を画一的に決めるべきでない。これは議会でもっと論議を。区選管委員に関しては日額制反対。)
無回答 2
(2)報酬額について
(ア)上げるべきだ 0
(イ)今のままでよい 7
(ウ)下げるべきだ 2
(エ)その他 2(参考:まだ直接的、相対的な人事評価がよく判らない。区選管については、自分としては下ってもいい/府市選管の報酬は少し下げるべきだ)
無回答 2
【設問5】自由記入欄
(府選管)
・知事及び議会で決定されたものに従います。
(府労働委員)
・斡旋事件等についての事前聞き込み、調査、事務局との事前打ち合わせ等あり
・審問事件では膨大な資料の読み込み、事前勉強等あり
・自宅での事前復習も必要
・目に見えぬ形で時間が必要とされる状態,公労使委員側、労使申立人、被申立人及び双方弁護人等の日程調整による本件優先のため他スケジュールキャンセル、担当させていただいてけっこうボリュームのあ仕事と考えます。案件が増える方向でもあります
(府労働委員)
・他の行政委員は知らないが、労働委員会委員は「プラスαの思いを強く持って努めねばならない」と理解している。日額制は不向きと考える。
(区選管)
・役所で決定することで何とも言えない。我々に聞いていただくより役所に行かれて役所で聞いてください
(区選管)
・定例の議案審議だけでなく、委員としての講習、学習会等の開催が必要と思います。
(区選管)
・選挙管理委員は非常勤であるが、地域では毎日のように各種政治団体の活動が行われその活動が公明で適正であるか監視、又選挙人の政治意の向上に努めるなど大変な責務であり、区の管理員の報酬としては高くはない。
(区選管)
・一般市民の方々の行政に関する認識と協力をもっとPRすべきである
以上