門川市政の「もやもや」した感じ


連載第145回 『ねっとわーく京都』2017年1月号掲載

豊田 陽

いまの京都市政、いいのか悪いのかよくわからない。何だか「もやもや」した感じ。四条通の歩道拡張、いいのか悪いのか。歩きやすくはなったけど、相変わらず市バスで四条通りを通過するには時間がかかる。二条城北側のバス駐車場建設。本当にこれからも右肩上がりでインバウンド(訪日観光客)は増えるのだろうか。漫画風の市民新聞。若者受けを狙った紙面づくりだと思うが、実際のところはどうなんだろう。これまたいいのか悪いのかわからない。

極めつけは京都市美術館のネーミングライツ(施設命名権)問題。名経営者が存命中は大丈夫だろうが、50年後のことなんてどうなっているかまるでわからない。生き物のアメーバだって寿命がある。

仮に台湾企業の「珍宝」(調べてみたが、さすがにこのネーミングの会社はないようだ)が日本企業を買収したら、京都市珍宝美術館になってしまう。まるで温泉地の秘宝舘だ。今年はダリ展や若冲展が開催されたが、珍宝美術館になればサド展や歌麿展が開催されるはずだ。

ところで、この京都市美術館の改装費用、50億とも80億円ともいわれているがなぜこんなに費用がかかるのだろう。

京都市のホームページで完成予想図を見てみると、地下にカフェやレストラン、ミュージアムショップが新設されるようだが、これが建設費高騰の原因だろう。一見するとルーブル美術館のようでおしゃれだが、美術館が「従」で、レストランや売店が「主」の「岡崎観光センター」にならないか心配。

また左京区のこの界隈は一年中、観光バスやタクシーで混んでいるが、実際に工事が始まり、トラックや重機が頻繁に出入りするようになると、大渋滞が左京区や東山区で起こるのではないだろうか。

この「もやもや」した京都市政、原因のひとつは、やはり市議会議員が条例をつくることには熱心だが、市政をチェックするのは苦手という傾向があることと、何でもかんでも審議会を開いて民間や学識経験者の意見を聞けば何をしても構わないという行政の進め方に問題があると思う。おそらくこのもやもや感、京都市民の間にフラストレーションとしてじわじわ溜まっていると思う。

最近は非正規職員として役所の中で働く人が増えている。そのため『ねっとわーく京都』の覆面記者座談会を読まなくても、ごくごくそのような一般の市民が市役所の内情、実情をひろく知るようになっている。このままだと、どうなるだろうか。

知り合いの大学教授の話では、軍人を除いた一般行政職・事務職の公務員の数は、いまは国、地方とも戦前の100倍くらい多いらしい。もちろんその分、戦後になって住民サービスが拡充したということだが、このままの施策を続けていると、またぞろ公務員の数をもっと減らせとか市役所を解体して民営化しろというような、維新の会をより過激にした主張や政党が出て来て、選挙でそれなりの数を取るだろう。意外と市民の眼は冷たいと思う。